自虐と戯言

 

連日心がすさむようなことばかりあって、だれも悪くないしわたしが一番悪いのですけど、人のせいにしたくなってしまって、だめですね。人間として失格です。生きていてはならない存在とはわたしのようなことを言うのですね。

わたしの小さいころの夢は、社長になること、看護師になること、とにかく仕事をすることでした。

というのはうそです。大人の前では仕事をすることを目標とする自分を演じていました。

わたしの本当の夢は、好きな人を愛しその人に愛され、付き合って結婚して、幸せに暮らしたい、というものでした。でした、っていうと過去形になりますが、いまでも思ってしまいます。一人で、己のために己で飯を作る、結構空しいななんて、思ってしまうのです、事実そんなことないのだろうけど。

わたしは女です。家で一番最初に生まれました。親はわたしが一人でも生きていけるようにと、しっかり勉強するように、甘ったれた思考を持たないように、育ててきたのでしょう。そう思います。親はわたしに、ちゃんと一人の人間として自立してほしいのでしょう。世の中の親御さんたちもきっと、そうだと思います。

でも、少し違うところがあるのです。友達なんかいなくても生きていけるぞとか、彼氏とか結婚するだとかくだらないのだぞと、そう言われてきました。事実そうでしょう。わたしもそう思う節はあります。だから彼氏が欲しいだのと言って、男に媚びるようなぶりっ子は小さいころから見ていて辟易の念しか持てませんでした。それがダメでした。わたしの小さいころからの、好きな人と一緒になるという夢が、どうしてもだめでした。結局、わたしは一人でいられない、友達だっていてほしい、彼氏だってできるなら幸せじゃないか、そう思うような、わたしは生まれてくる家をきっと間違えたのでしょうか。子は親を選べずと言いますけれど、親も子を選べませんね。

毎日、道を行くカップルを見て泣きたくなります。毎日、友達と遊んだという投稿を見るたびに空しくなります。わたしに友達がいないわけではないけれど、なんでもかんでもすぐ報告したり、会ったり、一緒にどこかへ行ったり、そんな風なことをわたしが相手に頼んでいいほど、わたしは存在価値がないので、誰かに会いたくても、どこかへ行きたくても、誰に連絡してもいいかとか、わたしがそんな連絡をしていいものなのか、まったくわからないのです。むしろ、わたしは一人でもやっていけるように育てられたはずだし、一人でもやっていけるはずなのだから、一人でいようと思うのです。それでも、どうしても、ダメになるのです。これといって夢中になれることもなくて、音楽を聴いても、アニメを観ても、本や漫画を読んでも、違うなってなって、放り投げてしまいます。

家に帰って誰もいないだとか、ご飯を食べてお風呂に入って寝て次の日の朝起きても、何もすることがないから、だれにも会う予定がないから、それらの普通の生活を送ることを疑問に思うことしかできず、2,3時間くらいベッドに座ってぼうっとすることなんぞ、ざらにあるのです。

ここで、きっと「そんなこと言わなくてももっと辛い人だっている」だとか、「そんなことわざわざ言葉にしなくても思ってる人はいる」だとか、わたしの文章をよんで「あんたなんかよりずっと」って思う人はたくさんいらっしゃると思います。事実、そうでしょう。そうです、わたしの考えていることなんぞ、これっぽっちのことでもないのです。ただ、人にかまってもらいたい、人と一緒にいたい、そんなクソみたいな欲望の塊なのです。

一人でたくましく生きていく人間は素晴らしいなんていう考えを、いったいわたしはいつからするようになったのかはわかりませんけれど、そう思うのです。でもそう思って、生きていると、友達とたくさん遊びに行ったり旅行に行ったりとか、彼氏・彼女とどこかへデートへ行ったとか、そういうのを見ると、わたしがこんなに躍起になって一人でいようとする意味が、全然わからなくなってくるのです。

もっと、一人に耐えられる、強い人間になりたいのです。それか、いっそのこと死んでしまいたいのです。でも自殺は本当に迷惑をかけてしまうから、人に迷惑をかけたくないから、死のうかななんて思っても、実行なんぞできないのです。

人生終わったな、と思います。せいぜい、奨学金を返済するという義務がありますので、そのために生きなければならないかな、と思います。

もっと、したたかであるか、美人であるか、頭脳明晰であるか、性格のいい人間か、愛嬌のある人間かに生まれたかった。わたしにはなにもないし、なにもできないし、これからもなにもできないまま、奨学金を働いて返済するためだけに生きていくことしかできないのです。